脊髄髄膜瘤の疫学と管理|第103回医師国家試験D60

第103回医師国家試験 D60(2009年)

正答:a

問題

髄膜瘤で誤っているのはどれか。

a.発生頻度は出生250に対して1である。

b.葉酸摂取量と関連がある。

c.母体血清中AFPが上昇する。

d.脳室拡大は出生前診断の糸口になる。

e.分娩は帝王切開が望ましい。

f.排尿・排便障害の合併頻度が高い。

g.出生後早期の手術が必要である。

正答の理由

問題文は「髄膜瘤」ですが、選択肢の内容は脊髄髄膜瘤(開放性二分脊椎)の知識です。公式正答はa(変則肢a〜gの7択、誤りを選ぶ問題)です。頻度は「1/250」では多すぎ、米国の統計は約1/2,857です。eの分娩様式は意見が分かれており、新潟大学の後方視研究は「議論がある」とし、運動機能の利益を示さなかった研究も挙げています。なお現在は胎児手術という選択肢も加わりました。

各選択肢の検討

a.発生頻度は出生250に対して1である。誤っている。250人に1人は多すぎます。米国は約2,857出生に1人、世界でも1万出生あたり3.52〜24.31(およそ400〜2,800出生に1人)です。

b.葉酸摂取量と関連がある。正しい記述。葉酸欠乏が重要な危険因子で、妊娠前後の摂取で予防します。

c.母体血清中AFPが上昇する。正しい記述。開放性二分脊椎で上昇します。

d.脳室拡大は出生前診断の糸口になる。出題時は正しい記述の扱い。Chiari Ⅱ型奇形と水頭症を伴うことが多く、胎児超音波では脳室拡大などの頭部所見が脊椎の欠損を見る前の手がかりになります。

e.分娩は帝王切開が望ましい。出題時は正しい記述の扱い。ワシントン大学の指針は、病変が突出し下肢運動が保たれた例などで破水前の帝王切開が運動機能に有利とします。ただし同指針も普遍的に受け入れられてはいないと述べ、利益を否定する研究もあり、一律の結論ではありません。

f.排尿・排便障害の合併頻度が高い。正しい記述。神経因性膀胱や神経因性腸管による排尿・排便障害を伴うことが多い疾患です。

g.出生後早期の手術が必要である。正しい記述。開放した病変は髄膜炎などの感染の危険があり、ワシントン大学の指針は出生後24〜48時間以内、MSDは72時間以内の閉鎖を挙げています。

覚えるポイント

二分脊椎の頻度は数百〜数千出生に1人で、1/250は過大。葉酸、AFP、Chiari Ⅱ型、早期閉鎖を覚える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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