抗リン脂質抗体症候群|第103回医師国家試験D30

第103回医師国家試験 D30(2009年)

正答:e

問題

30歳の女性。下肢の皮疹を主訴に来院した。3か月前から両側下肢に網目状の紅斑が出現し、1週前から小潰瘍が多発してきた。2度の流産を経験している。25歳時に脳梗塞の既往がある。

診断に有用なのはどれか。

a.抗RNP抗体

b.抗Jo-1抗体

c.抗SS-B抗体

d.抗Scl-70抗体

e.抗カルジオリピン抗体

正答の理由

若年の脳梗塞と流産の既往に、下肢の網目状紅斑と小潰瘍が加わっており、抗リン脂質抗体症候群(APS)を考えます。APSは動静脈の血栓や妊娠合併症を特徴とする自己免疫疾患で、末梢動脈の閉塞による皮膚潰瘍や、四肢の網目状の皮疹(網状皮斑)もみられます。検査では抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体、ループスアンチコアグラントを調べます。陽性なら12週以上あけて再検し、持続を確認します。公式正答はeです。

各選択肢の検討

a.抗RNP抗体。誤り。混合性結合組織病の診断に用いる抗体です。血栓と流産を説明しません。

b.抗Jo-1抗体。誤り。多発性筋炎・皮膚筋炎の抗合成酵素抗体で、筋症状や間質性肺炎と関連します。本例に筋症状はありません。

c.抗SS-B抗体。誤り。Sjögren症候群に関連する抗体で、乾燥症状が手がかりです。

d.抗Scl-70抗体。誤り。全身性強皮症、特にびまん皮膚硬化型に関連する抗体です。皮膚硬化の記載がありません。

e.抗カルジオリピン抗体。正しい。APSの診断に用いる抗リン脂質抗体の一つです。血栓症または妊娠合併症に、持続陽性の抗体を合わせて診断します。

覚えるポイント

若年の血栓+流産+網目状皮疹はAPS。抗カルジオリピン抗体などを12週以上あけて再検する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第103回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました