マンモグラフィ異常の対応|第103回医師国家試験D29

第103回医師国家試験 D29(2009年)

正答:d

問題

55歳の女性。マンモグラフィで異常を指摘され来院した。自覚症状はない。マンモグラム(別冊No. 7)を別に示す。

対応として適切なのはどれか。

a.経過観察

b.抗菌薬投与

c.副腎皮質ステロイド投与

d.手術

e.放射線治療

別冊No.7 両側マンモグラムMLO像。左乳房の下部に放射状の線状影を伴う高濃度の領域がある。
別冊No.7 / 出典:厚生労働省・第103回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

両側MLO像のうち左乳房の下部に、放射状の線状影を伴う高濃度の領域があり、乳癌を疑う所見です。臨床では生検で確定してから治療に進みますが、選択肢に生検はありません。病期I〜IIIの乳癌の治療の基本は乳房温存術または乳房切除による腫瘍の外科的切除なので、公式正答はdです。悪性を疑う所見を「無症状だから」と経過観察にはしません。

画像の見方

左右のMLO像が背中合わせに示され、R・LとMLOの表示があります。左乳房の下部の胸壁寄りに、周囲へ線状に伸びる高濃度の領域があり、スピキュラを伴う腫瘤または構築の乱れを疑います。右乳房には点状の高濃度が1つありますが、良悪性の判断はしません。誌面の解像度では腫瘤の辺縁や微細石灰化の詳細は断定しません。

各選択肢の検討

a.経過観察。誤り。悪性を疑う所見を放置すると診断と治療が遅れます。無症状でも検診で見つかることが多い疾患です。

b.抗菌薬投与。誤り。発熱、疼痛などの乳腺炎の所見がなく、無症状です。

c.副腎皮質ステロイド投与。誤り。炎症性疾患を疑う根拠はなく、乳癌の治療にはなりません。

d.手術。正しい。乳癌に対する根治治療の中心です。実際には針生検などで組織を確認してから行います。

e.放射線治療。誤り。放射線治療は、乳房温存術の後など手術と組み合わせて用います。限局した腫瘍の単独の第一選択ではありません。

覚えるポイント

検診マンモで放射状の線状影を伴う病変は乳癌を疑う。生検で確定し、限局例の基本は手術。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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