子宮頸部細胞診異常の次の検査|第103回医師国家試験D24

第103回医師国家試験 D24(2009年)

正答:e

問題

28歳の女性。未経妊。子宮頸癌検診で細胞診の異常を指摘され来院した。内診で肉眼的には子宮腟部に腫瘍形成を認めない。子宮頸部細胞診(Papanicolaou染色)標本(別冊No. 4)を別に示す。

次に行うのはどれか。

a.骨盤部CT

b.骨盤部MRI

c.血中SCC値測定

d.子宮頸部円錐切除

e.コルポスコピィ下狙い組織診

別冊No.4 子宮頸部細胞診Papanicolaou染色。核が大きく濃染する異型細胞が集塊をなし、橙色に染まる細胞質の細胞が混じる。
別冊No.4 / 出典:厚生労働省・第103回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

標本には核が大きく濃染し、細胞質の割合が小さい異型細胞の集塊があり、高度な扁平上皮内病変以上を疑います(写真だけで細胞診の区分は確定しません)。細胞診はスクリーニングで確定診断ではなく、異常があれば拡大鏡で病変を確認して狙って生検し、組織診で病変の程度を決めます。国内の産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2011も、ASC-H、LSIL、HSIL、SCCなどでは直ちにコルポスコピー・生検を行うとしています。肉眼的腫瘍がなく未経妊の若年女性なので、治療方針もこの組織診断で分かれます。公式正答はeです。

画像の見方

ライトグリーンに染まる細胞質の細胞が集塊をなし、核は大きく濃染して核/細胞質比が高くみえます。集塊内に橙色に染まる角化傾向の細胞が1〜2個あり、背景に好中球が散在します。扁平上皮系の高度な異型を疑いますが、細胞診の分類を画像だけで確定はせず、上皮内病変か浸潤癌かの区別は組織診に委ねます。

各選択肢の検討

a.骨盤部CT。誤り。画像による病期診断は、組織で癌を確認した後に考える検査です。肉眼的腫瘍のない段階の次の一手ではありません。

b.骨盤部MRI。誤り。aと同様に、癌と診断された後の進展評価に用います。

c.血中SCC値測定。誤り。腫瘍マーカーでは診断が確定せず、組織診の代わりになりません。

d.子宮頸部円錐切除。誤り。円錐切除は、生検で診断が定まらず高度病変や浸潤癌が疑われる場合などに行います。頸管切除は早産などの周産期予後に影響しうるため、未経妊女性では特に組織診断を経ます。

e.コルポスコピィ下狙い組織診。正しい。コルポスコピーで異常部位を見つけ、そこから組織を採取して病変の程度を確定します。

覚えるポイント

細胞診の異常→コルポスコピー下狙い組織診→組織結果で管理・治療を決める。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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