造影CTでの胆嚢癌|第103回医師国家試験D20

第103回医師国家試験 D20(2009年)

正答:e

問題

65歳の男性。人間ドックの腹部超音波検査で異常を指摘され来院した。身体所見に異常を認めない。腹部造影CT(別冊No. 2)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a.胆嚢結石

b.慢性胆嚢炎

c.胆嚢腺筋腫症

d.胆嚢コレステロールポリープ

e.胆嚢癌

別冊No.2 腹部造影CT軸位断。胆嚢の位置に不整な低吸収の病変があり、肝実質との境界は不明瞭。内部に低濃度の部分がある。
別冊No.2 / 出典:厚生労働省・第103回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

公式正答はeです。CTで胆嚢に相当する部位が不整な低吸収の病変に置き換わり、肝実質との境界が不明瞭です。悪性の胆嚢壁肥厚は不整で非対称で、肝実質との境界が不明瞭とされ、胆嚢を置換する腫瘤型は胆嚢癌の40〜70%を占めます。症状のない人間ドックでの発見ですが、確定には病理が必要です。黄色肉芽腫性胆嚢炎などは画像が紛らわしいことがあります。

画像の見方

腹部造影CT軸位断(造影相はこの1断面からは断定しない)。肝下面の胆嚢の位置に不整形の低吸収の病変が広がり、周囲の肝実質との境界が不明瞭で不整である。内部に、より低濃度の内腔様の部分がある。石灰化した結石は明らかでない。

各選択肢の検討

a.胆嚢結石。誤り。単なる結石は胆嚢内の結石が主体で、肝との境界が不明瞭な病変は説明できません。この図に石灰化した結石は明らかでありません。

b.慢性胆嚢炎。誤り。慢性胆嚢炎は線維化した萎縮胆嚢などを呈する良性の変化で、肝へ連続する不整な腫瘤様病変の第一候補にはなりません。

c.胆嚢腺筋腫症。誤り。良性の胆嚢壁肥厚を起こす疾患で、不整な肝への浸潤様の所見とは合いません。

d.胆嚢コレステロールポリープ。誤り。多くは10 mm未満の無症状の隆起性病変で、図の広がりと合いません。

e.胆嚢癌。正しい。胆嚢を置換する不整な病変と肝との境界不明瞭は胆嚢癌を示唆します。

覚えるポイント

胆嚢の不整な壁肥厚・腫瘤と肝との境界不明瞭は胆嚢癌を疑う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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