第103回医師国家試験 C6(2009年)
正答:b
問題
創傷治癒を阻害しないのはどれか。
a.低蛋白血症
b.高脂血症
c.肝硬変
d.糖尿病
e.貧血
正答の理由
公式正答はbです。創傷治癒には酸素の供給、蛋白質などの材料、炎症と細胞増殖の正常な進行が必要です。低蛋白、低栄養を伴う肝硬変、糖尿病、貧血はいずれかを損ないますが、高脂血症そのものは主要な阻害因子に挙げられていません。ただし肥満に伴う脂質異常では、肥満自体が創合併症の危険因子です。
各選択肢の検討
a.低蛋白血症。阻害する。誤り(設問の答えではない)。蛋白質不足は毛細血管形成、線維芽細胞増殖、膠原線維合成を妨げ、低アルブミン血症は創離開の危険因子と報告されています。
b.高脂血症。阻害しない因子として選ぶ肢で、これが正答です。創傷治癒の主要因子の総説に、独立した項目としては挙げられていません。
c.肝硬変。阻害する。誤り(設問の答えではない)。低栄養や術後の腹水を背景に、創傷治癒障害の頻度が高いと報告されています。
d.糖尿病。阻害する。誤り(設問の答えではない)。慢性創傷の代表的な背景で、低酸素や免疫機能の障害などを介して治癒を遅らせます。
e.貧血。阻害する。誤り(設問の答えではない)。酸素運搬能が下がると創部への酸素供給が減り、治癒に不利です。
覚えるポイント
創傷治癒を妨げるのは低栄養、低酸素、糖尿病など。「材料・酸素・免疫」のどれを損なうかで考える。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Factors Affecting Wound Healing
- Perioperative hypoalbuminemia is a risk factor for wound complications following posterior lumbar interbody fusion
- Liver surgery in cirrhosis and portal hypertension
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。