第103回医師国家試験 B29(2009年)
正答:d・e
問題
我が国の母子保健で正しいのはどれか。2つ選べ。
a.母子健康センターは各都道府県に1か所設置されている。
b.妊産婦健康診査は母体保護法に基づき実施される。
c.妊産婦死亡率は経済協力開発機構〈OECD〉加盟国で最も高い。
d.自然死産率を妊婦の年齢別にみると25~29歳が最も低い。
e.周産期死亡率は戦後改善している。
正答の理由
公式正答はd・eです。2019年の統計では自然死産率(出産千対)は20〜24歳8.6、25〜29歳7.6、30〜34歳9.4で、25〜29歳が最低でした。周産期死亡率も、比較できる出生千対の値で1950年46.6から2009年2.9へ大きく低下しています。出題当時の年齢別の値は確認できていないため、年齢別の数字は2019年のものとして読みます。
各選択肢の検討
a.母子健康センターは各都道府県に1か所設置されている。誤り。2010年時点の母子保健法では市町村が必要に応じて設置に努める施設でした。現行法では第22条の「こども家庭センター」に改められています。
b.妊産婦健康診査は母体保護法に基づき実施される。誤り。市町村の健康診査は母子保健法第13条によります。母体保護法は不妊手術と人工妊娠中絶に関する法律です。
c.妊産婦死亡率は経済協力開発機構〈OECD〉加盟国で最も高い。誤り。OECDの2013年の値は日本4.0、最も高いメキシコ38.2(出生10万対)でした。出題当時の比較表は確認できていませんが、健やか親子21報告書も日本の母子保健水準を世界のトップクラスとし、妊産婦死亡率には改善の余地があるという位置づけです。
d.自然死産率を妊婦の年齢別にみると25~29歳が最も低い。正しい。2019年は7.6で、前後の年齢層より低い値でした。
e.周産期死亡率は戦後改善している。正しい。妊娠満28週以後の参考値で1950年46.6(出生千対)から2009年2.9まで低下しました。現行の周産期死亡率は妊娠満22週以後で定義が異なるため、長期比較には参考値を使います。
覚えるポイント
自然死産率は25〜29歳が最低。妊産婦健診の根拠は母子保健法で実施主体は市町村。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- 人口動態統計 確定数 死産 2019年 上巻 第7.8表 母の年齢(5歳階級)別にみた自然-人工・死産時の世帯の主な仕事別死産率(e-Stat)
- 令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚生労働省)
- 母子保健法(e-Gov法令検索)
- 母体保護法(e-Gov法令検索)
- 健やか親子21検討会報告書(厚生労働省)
- Maternal mortality in OECD countries(Figure.NZ、OECD Health Statistics 2017)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。