第103回医師国家試験 B25(2009年)
正答:b
問題
産褥無月経で正しいのはどれか。
a.無排卵となる。
b.授乳によって期間が延長する。
c.ゴナドトロピン分泌の亢進による。
d.血中オキシトシン濃度の上昇による。
e.血中プロラクチン濃度の低下による。
正答の理由
公式正答はbです。授乳の吸啜刺激は卵巣機能を抑える最も重要な刺激とされ、授乳の頻度と期間が減るまで無月経が続きやすくなります。高プロラクチン状態がKiss1ニューロンを抑え、GnRHのパルス分泌とLHパルスが低下して、排卵前のLHサージが起こらなくなるという流れです。ただし機序の細部は未解明とされています。
各選択肢の検討
a.無排卵となる。公式正答ではない。授乳中の無月経は無排卵を伴うことが多く、機序としては近い内容です。ただし月経が戻る前でも排卵は起こり得ます。無月経中の産後6か月以内の排卵リスクは完全授乳で1〜5%、部分授乳で約10%とされ、一律に無排卵とは言えません。単一正答として選ぶ肢はbです。
b.授乳によって期間が延長する。正しい。吸啜刺激が続く間は高プロラクチン状態と卵巣抑制が保たれ、月経再開が遅れます。
c.ゴナドトロピン分泌の亢進による。誤り。LHのパルス分泌は低下します。FSHは産後4週で卵胞期の水準に戻りますが、亢進が原因ではありません。
d.血中オキシトシン濃度の上昇による。誤り。オキシトシンは射乳反射を担うホルモンで、無月経の主な機序としては扱われていません。
e.血中プロラクチン濃度の低下による。誤り。逆で、授乳中はプロラクチンが高い状態が続きます。
覚えるポイント
授乳→高プロラクチン→GnRH・LHパルス低下→無排卵・無月経。授乳が続くほど長引く。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Lactational Amenorrhea: Neuroendocrine Pathways Controlling Fertility and Bone Turnover
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。