Tourette症の薬物療法|第103回医師国家試験A44

第103回医師国家試験 A44(2009年)

正答:c

問題

10歳の男児。身体が勝手に動くことを主訴に両親に伴われて来院した。学校でいじめを受けたことを契機に数か月前から首を急速に右側に回旋させたり、両肩をすくめたり、全身をびくっとさせたりする運動が始まった。鼻すすりや咳払いのほか、大きな声を突然出すこともある。これらは日に何十回と起きるが、一定時間は随意的に抑制できる。脳波検査で突発波は認めない。

治療薬として適切なのはどれか。

a.睡眠薬

b.気分安定薬

c.抗精神病薬

d.抗てんかん薬

e.抗Parkinson病薬

正答の理由

公式正答はcです。突然で反復する複数の運動チックに音声チックを伴い、短時間なら抑制できるので、Tourette症を考えます。薬物では抗精神病薬(アリピプラゾール、ハロペリドール、ピモジドなど)がチックを抑えます。ただし、持続期間の基準(1年超)を満たすかは問題文の「数か月」だけでは確定できません。また現在は、生活への支障があるときに治療し、まず心理教育と行動療法(CBIT)を考えます。薬の順序は資料で差があり、MSDは抗精神病薬を難治例の第二選択とし、欧州ガイドライン(ESSTS)はドパミン遮断薬の根拠が最も多いとしてアリピプラゾールを優先します。

各選択肢の検討

a.睡眠薬。誤り。チックの抑制を目的とする薬ではなく、MSDやESSTSのチック治療薬にも挙がっていません。

b.気分安定薬。誤り。気分障害の薬で、MSDやESSTSのチック治療薬には挙がっていません。

c.抗精神病薬。正しい。選択肢の中でチックを抑える根拠があるのはこの薬です。現行の順位は資料で差があり(MSDは第二選択、ESSTSはアリピプラゾールを優先)、遅発性ジスキネジアなどの副作用に注意します。

d.抗てんかん薬。誤り。脳波に突発波はなく、発作ではありません。トピラマートは難治例の候補に挙がりますが、抗てんかん薬全般が標準薬ではありません。

e.抗Parkinson病薬。誤り。チックにはドパミン受容体を遮断する薬が使われます。抗Parkinson病薬はMSDやESSTSのチック治療薬に挙がっていません。

覚えるポイント

複数の運動チック+音声チック=Tourette症。選択肢なら抗精神病薬。現行はまず心理教育と行動療法。薬の順位は資料で差がある(MSDは第二選択、ESSTSはアリピプラゾール優先)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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