第103回医師国家試験 A22(2009年)
正答:e
問題
38歳の女性。5回経妊、3回経産。確実な避妊方法を求めて来院した。最近2年の間に、望まない妊娠のため2回人工妊娠中絶手術を受けた。将来の挙児希望はない。3年前から、収縮期血圧が160 mmHgを超える高血圧を指摘されているが放置していた。喫煙は20本/日を18年間。
避妊方法として適切なのはどれか。
a.ペッサリー
b.コンドーム
c.周期的禁欲法
d.経口避妊薬〈ピル〉
e.子宮内避妊器具〈IUD〉
正答の理由
求められているのは「確実な」避妊で、かつ38歳・1日20本の喫煙・収縮期160 mmHg以上の高血圧があります。米国CDCの適格基準2024では、複合ホルモン避妊法は35歳以上の1日15本以上の喫煙、収縮期160 mmHg以上の高血圧のいずれも区分4(使用不可)です。一方、銅付加IUDはどちらも区分1で、経産婦で挙児希望もないため、選ぶのはIUDです。公式正答はeです。
各選択肢の検討
a.ペッサリー。誤り。性交のたびに正しく使う必要がある方法で、望まない妊娠を繰り返した本例の「確実な避妊」の希望に合いません。
b.コンドーム。誤り。性感染症の予防には優れますが妊娠率は高めで、使用のたびの実行に左右されます。単独では確実とはいえません。
c.周期的禁欲法。誤り。妊娠しやすい時期を避ける方法で、毎回の自己管理に左右され、確実性を求める本例には向きません。
d.経口避妊薬〈ピル〉。誤り。35歳以上の喫煙者と重症高血圧は、いずれもエストロゲン・プロゲスチン製剤の禁忌です。血栓症や心血管疾患の危険が高くなります。
e.子宮内避妊器具〈IUD〉。正しい。使用者の毎回の操作が不要で、喫煙や高血圧があっても使えます。銅付加IUDは喫煙、高血圧とも区分1、レボノルゲストレル放出IUDは高血圧が区分2です。
覚えるポイント
35歳以上の喫煙者・収縮期160 mmHg以上はピル禁忌。確実な避妊が必要ならIUD。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Appendices for U.S. Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use, 2024
- Oral Contraceptives – Gynecology and Obstetrics – MSD Manual Professional Edition
- Overview of Contraception – Gynecology and Obstetrics – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。