第103回医師国家試験 A10(2009年)
正答:a・d・e
問題
単純性肥満で正しいのはどれか。3つ選べ。
a.全肥満の90%以上を占める。
b.無酸素運動を主体に指導する。
c.スルホニル尿素薬を投与する。
d.血中アディポネクチンが低下する。
e.血中コルチゾールはデキサメタゾンで抑制される。
正答の理由
単純性(原発性)肥満は、二次性肥満のような明らかな原因疾患のない肥満です。肥満全体の90%以上を占めるといわれます。脂肪組織から分泌されるアディポネクチンは、肥満では逆に低下します。コルチゾール分泌は正常なので、デキサメタゾンで抑制され、Cushing症候群と区別できます。公式正答はa・d・eです。
各選択肢の検討
a.全肥満の90%以上を占める。正しい。一般にそういわれますが、日本の厳密な統計はないとされています。
b.無酸素運動を主体に指導する。誤り。減量の運動は有酸素運動が基本です。現在は有酸素運動にレジスタンス運動を組み合わせる形が勧められています。
c.スルホニル尿素薬を投与する。誤り。インスリン分泌を促す糖尿病治療薬で、高インスリン血症と2〜5kgの体重増加を招きます。高用量は薬剤性肥満の原因にも挙げられ、肥満の治療薬ではありません。
d.血中アディポネクチンが低下する。正しい。肥満で低下し、血中濃度は体脂肪率と逆相関します。
e.血中コルチゾールはデキサメタゾンで抑制される。正しい。Cushing症候群でない多くの人では、デキサメタゾン抑制試験で翌朝の血中コルチゾールが抑制されます。
覚えるポイント
単純性肥満は肥満の大多数。アディポネクチンは低下し、デキサメタゾンでコルチゾールは抑制される。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- 肥満症と治療について(一宮市立市民病院 薬剤局 DIニュース 2024年5月)
- Obesity – Endocrinology – MSD Manual Professional Edition
- Medications for Diabetes Mellitus Treatment – Endocrinology – MSD Manual Professional Edition
- Correlation of Serum Adiponectin and Leptin levels in Obesity and Type 2 Diabetes Mellitus
- Cushing Syndrome – Endocrinology – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。