第102回医師国家試験 I26(2008年)
正答:e
問題
多発性内分泌腫瘍〈MEN〉1型にみられるのはどれか。
a.常染色体劣性遺伝
b.褐色細胞腫
c.甲状腺髄様癌
d.副甲状腺機能低下症
e.Zollinger-Ellison症候群
正答の理由
公式正答はeです。MEN1は常染色体優性遺伝の症候群で、副甲状腺の過形成・腺腫、膵島(膵神経内分泌)腫瘍、下垂体腫瘍を主徴とします。膵または十二指腸のガストリノーマが生じるとガストリン過剰による多発消化性潰瘍、すなわちZollinger-Ellison症候群をきたします。
各選択肢の検討
a.常染色体劣性遺伝。誤り。MEN1は常染色体優性(顕性)遺伝の症候群です。
b.褐色細胞腫。誤り。褐色細胞腫は甲状腺髄様癌・副甲状腺病変とともにMEN2Aを構成する病変です。
c.甲状腺髄様癌。誤り。甲状腺髄様癌もRET遺伝子変異によるMEN2Aの中核病変で、MEN1の構成病変ではありません。
d.副甲状腺機能低下症。誤り。MEN1でみられるのは副甲状腺の過形成・腺腫による副甲状腺機能「亢進」症と高カルシウム血症で、機能低下症ではありません。
e.Zollinger-Ellison症候群。正しく、これが正答。MEN1では膵または十二指腸由来のガストリノーマが生じ、患者の最大80%でガストリン分泌亢進による多発消化性潰瘍、または無症状のガストリン高値がみられます。
覚えるポイント
MEN1は常染色体優性で副甲状腺機能亢進症・膵島腫瘍(ガストリノーマ=Zollinger-Ellison症候群)・下垂体腫瘍。褐色細胞腫と甲状腺髄様癌はMEN2。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Multiple Endocrine Neoplasia, Type 1 (MEN 1)
- Multiple Endocrine Neoplasia, Type 2A (MEN 2A)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。