第102回医師国家試験 I20(2008年)
正答:a・d
問題
新生児髄膜炎の起因菌として頻度の高いのはどれか。2つ選べ。
a.大腸菌
b.緑膿菌
c.髄膜炎菌
d.B群レンサ球菌
e.インフルエンザ菌
正答の理由
公式正答はa・dです。MSDは新生児細菌性髄膜炎の最も多い原因としてB群レンサ球菌〈GBS〉、大腸菌(特にK1莢膜多糖体をもつ株)、Listeria monocytogenesを挙げています。日本の細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014も、生後1か月未満ではGBSと大腸菌が多いとしています。経験的治療にアンピシリンとアミノグリコシドが推奨されるのも、この3菌をカバーするためです。
各選択肢の検討
a.大腸菌。正しい。新生児細菌性髄膜炎の主要起因菌で、特にK1莢膜多糖体をもつ株が問題になります。グラム陰性腸内細菌による髄膜炎は脳室炎を伴いやすいとされます。
b.緑膿菌。誤り。新生児細菌性髄膜炎の主要起因菌には含まれません。MSDで緑膿菌が挙がるのは脳膿瘍を起こしうる菌としてと、長期入院後の院内感染で抗緑膿菌活性のある薬剤を含む経験的治療を考える場面であり、通常の新生児髄膜炎の起因菌ではありません。
c.髄膜炎菌。誤り。新生児では主要起因菌ではなく、報告されるその他の病原体の一つに挙げられています。
d.B群レンサ球菌。正しい。新生児細菌性髄膜炎の代表的起因菌で、生後1週以内の早発型敗血症に伴うことも、生後3か月までに単独の髄膜炎として発症することもあります。
e.インフルエンザ菌。誤り。新生児では主要起因菌ではなく、その他の病原体として挙げられています。日本のガイドラインの年齢階層別の主要起炎菌でも、インフルエンザ菌が挙がるのは生後4か月以降で、1か月未満には挙げられていません。
覚えるポイント
生後1か月未満はGBS・大腸菌(+リステリア)、4か月以降はインフルエンザ菌・肺炎球菌。経験的治療はアンピシリン+アミノグリコシド。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Neonatal Bacterial Meningitis – Pediatrics – MSD Manual Professional Edition
- 細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。