常染色体優性遺伝多発性嚢胞腎の合併症|第102回医師国家試験I12

第102回医師国家試験 I12(2008年)

正答:a・c

問題

常染色体優性遺伝多発性嚢胞腎症に合併するのはどれか。2つ選べ。

a.高血圧

b.肝硬変

c.脳動脈瘤

d.腎細胞癌

e.褐色細胞腫

正答の理由

公式正答はa・cです。常染色体優性多発性嚢胞腎〈ADPKD〉の症状・徴候には側腹部痛、血尿とともに高血圧が挙げられ、血尿と高血圧はそれぞれ約40〜50%にみられます。脳動脈瘤は若年成人の約4%、高齢者では最大10%に存在し、破裂は患者の65〜75%で通常50歳までに起こるため、高血圧の管理と、出血性脳卒中や脳動脈瘤の家族歴がある例でのスクリーニングが重要です。

各選択肢の検討

a.高血圧。正しい。ADPKDの代表的な徴候で約40〜50%にみられ、ACE阻害薬やARBによる厳格な降圧が腎機能低下の進行抑制の要になります。

b.肝硬変。誤り。合併するのは肝嚢胞で、ほとんどの患者にみられますが通常は肝機能に影響しません。肝硬変ではありません。

c.脳動脈瘤。正しい。若年成人の約4%、高齢者では最大10%に認められ、破裂すればくも膜下出血をきたします。家族歴のある例ではスクリーニングが考慮されます。

d.腎細胞癌。誤り。MSDのADPKDの項に腎細胞癌の合併は挙げられていません。記載があるのは嚢胞内出血、嚢胞感染、尿路結石、急性腎盂腎炎などです。

e.褐色細胞腫。誤り。MSDのADPKDの項に褐色細胞腫の合併は挙げられていません。ADPKDの高血圧は腎の嚢胞性変化に伴うもので、副腎腫瘍によるものではありません。

覚えるポイント

ADPKDは腎外合併症が頻出。高血圧・脳動脈瘤・肝嚢胞・心臓弁膜症(僧帽弁逸脱など)・結腸憩室・ヘルニアで覚える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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