溶血性尿毒症症候群の検査所見|第102回医師国家試験I6

第102回医師国家試験 I6(2008年)

正答:a

問題

溶血性尿毒症症候群でみられるのはどれか。

a.破砕赤血球

b.血小板増多

c.IgG低下

d.血清カリウム値低下

e.血清補体値低下

正答の理由

公式正答はaです。溶血性尿毒症症候群〈HUS〉は血小板減少・微小血管症性溶血性貧血・急性腎障害を特徴とし、多数の小血管に沈着した血小板とフィブリンの網を通過する赤血球が損傷されるため、末梢血塗抹に破砕赤血球(ヘルメット細胞や三角形の赤血球)が出現します。小児では約90%が志賀毒素産生菌(腸管出血性大腸菌O157:H7など)による出血性大腸炎に続発します。

各選択肢の検討

a.破砕赤血球。正しい。微小血管内の血小板・フィブリン血栓により赤血球が機械的に破壊され、末梢血塗抹でヘルメット細胞などの破砕赤血球を認めます。

b.血小板増多。誤り。血小板は多数の微小血栓の中で消費され、通過時にも損傷されるため、著明な血小板減少になります。

c.IgG低下。誤り。MSDのHUSの項に免疫グロブリンの低下は所見として挙げられていません。

d.血清カリウム値低下。誤り。急性腎障害を伴うため、臨床上問題になるのは高カリウム血症です。

e.血清補体値低下。誤り。感染後の小児HUSでは補体系の活性化がしばしばみられ、補体制御因子の遺伝子変異による非典型例もあるため補体C3・C4と総補体を測定しますが、血清補体値の低下は本症に必発の所見ではなく、ここで選ぶべき所見ではありません。

覚えるポイント

HUS=血小板減少+破砕赤血球を伴う溶血+急性腎障害。小児では志賀毒素産生大腸菌による血性下痢の約1週後に発症する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第102回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました