新生児期の頭蓋内出血と欠乏するビタミン|第102回医師国家試験I3

第102回医師国家試験 I3(2008年)

正答:e

問題

欠乏すると新生児期の頭蓋内出血の原因となるのはどれか。

a.ビタミンA

b.ビタミンC

c.ビタミンD

d.ビタミンE

e.ビタミンK

正答の理由

公式正答はeです。ビタミンKは胎盤透過性が低く出生時の備蓄が少ないうえ、生後早期は肝臓のプロトロンビン合成能が未熟で、母乳中の含有量も少なく腸管内でのビタミンK2産生も期待できないため、新生児はビタミンK欠乏性出血症を発症しやすくなります。特に生後2週以降に発症する遅発型は頭蓋内出血をきたす例が多く、生命予後・神経学的予後は不良です。

各選択肢の検討

a.ビタミンA。誤り。凝固因子の産生には関与せず、新生児の頭蓋内出血の予防対象として提言で扱われているのはビタミンKです。

b.ビタミンC。誤り。欠乏は血管の脆弱性による出血(壊血病)をきたしますが、新生児の頭蓋内出血予防として投与が提言されているビタミンではありません。

c.ビタミンD。誤り。欠乏はくる病や低カルシウム血症をきたしますが、凝固因子の活性化には関与しません。

d.ビタミンE。誤り。抗酸化作用をもつ脂溶性ビタミンで、ビタミンK依存性凝固因子の活性化には関与しません。

e.ビタミンK。正しい。欠乏によりビタミンK依存性凝固因子が活性化されず出血症をきたし、遅発型では頭蓋内出血が多くなります。日本では哺乳確立時、生後1週または産科退院時のいずれか早い時期、その後は生後3か月まで週1回のビタミンK2投与が提言されています。

覚えるポイント

新生児・乳児の頭蓋内出血といえばビタミンK欠乏。遅発型(生後2週以降)が頭蓋内出血の中心で、K2シロップで予防し、便色カードで肝胆道系疾患を早期発見する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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