頭部単純CT(両側対称性の脳内石灰化)|第102回医師国家試験H13

第102回医師国家試験 H13(2008年)

正答:e

問題

頭部単純CT(別冊No. 4A、B)を別に示す。

病変は何か。

a.炎症

b.外傷

c.虚血

d.出血

e.石灰化

別冊No. 4A 頭部単純CTの水平断像。後頭蓋窩から眼窩の高さのスライスで、両側の小脳半球内側(歯状核の部位)に左右対称の強い高吸収域がある。
別冊No. 4A / 出典:厚生労働省・第102回H別冊(原本の該当ページ)
別冊No. 4B 頭部単純CTの水平断像。基底核の高さのスライスで、両側のレンズ核と尾状核頭の部位に左右対称の強い高吸収域があり、正中後方と後方にも小さな高吸収巣がある。
別冊No. 4B / 出典:厚生労働省・第102回H別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

別冊No.4では、後頭蓋窩のスライス(A)で両側小脳歯状核の部位に、基底核のスライス(B)で両側のレンズ核と尾状核頭の部位に、頭蓋骨と同程度の著明な高吸収域が左右対称にみられ、Bでは正中後方と後方にも小さな高吸収巣がある。石灰化はCTで高吸収域として描出され、典型的には両側対称性で基底核に最も多く、歯状核や視床にも及ぶとされる分布と一致する。

画像の見方

assets/102h/102h013-figure-a.png(1110×1162)と102h013-figure-b.png(1110×1208)を8ビットのグレースケールに変換し、指定座標を中心とする24×24ピクセルの平均値(0〜255)で測った。Bでは左右のレンズ核にあたる高吸収域が(357,500)で240、(555,500)で234と左右ほぼ対称で、同じ画像の前頭部頭蓋骨(460,152)の223と同程度、脳実質(前頭葉白質(610,250)で109、側頭葉(200,600)で132、(730,600)で122)より著しく高い。その前方にも(330,332)で184、(585,345)で199の高吸収域が左右にあり、尾状核頭の位置にあたる。Aでは小脳半球内側の歯状核にあたる部位が(385,775)と(545,780)でともに223と左右対称で、小脳半球外側(300,790)の110や側頭葉(250,520)の103より著しく高い。これはスキャン画像の表示濃度であってCT値(Hounsfield単位)そのものではない。Bでは高吸収域の内側の側脳室前角(430,420)が109と低吸収に保たれており、占拠効果や周囲の低吸収域(浮腫)は認めない。このほかBには正中後方(450,692)、左後方(305,775)、後頭部寄り(390,965)にも小さな高吸収巣がある。水平断像は通常、画像の左が患者の右側であるが、別冊に左右表示の記載はない。所見(両側対称性)は左右の向きに依存しない。

各選択肢の検討

a.炎症はCTで等吸収から低吸収、あるいは造影効果として現れるもので、単純CTで骨と同程度の高吸収域を両側対称に作る所見ではない。

b.外傷による変化(骨折、血腫、挫傷)は受傷部位に応じた分布をとり、両側の歯状核とレンズ核に対称性に限局することはない。

c.虚血は細胞性浮腫により低吸収域となり、高吸収域にはならない。

d.出血も高吸収を示すが、血腫は局在性で周囲に浮腫や占拠効果を伴うのが普通であり、歯状核と基底核に左右対称かつ同時に生じる分布はとらない。

e.石灰化はCTで高吸収域として描出され、両側対称性に基底核・歯状核などへ広がるのが典型で、本例の分布と濃度に合致する。正答。

覚えるポイント

両側対称性に基底核と歯状核へ広がる骨と同程度の高吸収域は石灰化である。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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