COPDにおける高濃度酸素投与とCO2ナルコーシス|第102回医師国家試験H12

第102回医師国家試験 H12(2008年)

正答:e

問題

高二酸化炭素血症を認める慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉患者で意識障害をきたし得るのはどれか。

a.呼吸中枢刺激薬投与

b.経鼻的持続陽圧呼吸療法

c.気管切開による人工呼吸

d.気管挿管による人工呼吸

e.フェイスマスクからの100%酸素投与

正答の理由

高二酸化炭素血症のあるCOPDに高濃度酸素を与えると、呼吸駆動の低下と低酸素性肺血管攣縮の解除による換気血流比不均等の悪化によりPaCO2がさらに上がり、意識障害(CO2ナルコーシス)を生じ得る。高濃度酸素療法では60分以内にPaCO2が20 mmHg以上上がる例も報告されている。フェイスマスクからの100%酸素投与がこれに当たる。

各選択肢の検討

a.呼吸中枢刺激薬は換気を増やす方向に働き、PaCO2を下げるので、CO2貯留による意識障害の原因にはならない。

b.経鼻的持続陽圧呼吸療法は気道を開存させ呼吸仕事量を減らすもので、PaCO2を上げて意識障害をきたす治療ではない。

c.気管切開による人工呼吸は肺胞換気を確保するため、CO2を排出させる方向に働く。

d.気管挿管による人工呼吸も同様に換気を担保し、高二酸化炭素血症を是正する。

e.フェイスマスクからの100%酸素投与は高濃度酸素療法であり、呼吸駆動の低下と換気血流比不均等の悪化によりPaCO2を上昇させ、意識障害をきたし得る。正答。

覚えるポイント

CO2が貯留したCOPDには高濃度酸素を漫然と投与せず、酸素飽和度を目標範囲に調節して投与する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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