第102回医師国家試験 H4(2008年)
正答:b
問題
頸部の写真(別冊No. 1)を別に示す。
消化管癌の転移がみられやすいリンパ節の部位はどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤

正答の理由
胃癌など消化管癌が遠隔リンパ節に転移するとき特徴的なのは左鎖骨上窩のリンパ節(Virchow結節)である。MSD Manualの胃癌の項は、進行期の身体所見として「臍部、左鎖骨上、左腋窩のリンパ節」を挙げている。別冊No.1で②は正中からみて患者の左側、鎖骨の上のくぼみに置かれており、これが左鎖骨上窩に当たる。
画像の見方
assets/102h/102h004-figure.png(1620×1710ピクセル)上で丸数字の中心を測ると、④(580,990)、①(1030,990)、⑤(447,1217)、②(1123,1217)、③(1222,1455)。正中線は①と④の中点x=805、②と⑤の中点x=785で、胸骨上窩の位置ともほぼ一致する。①と④は同じ高さで正中から左右それぞれ約225ピクセルの対称位置にあり、②と⑤はそれより約227ピクセル尾側で正中から約320〜360ピクセル外側、③はさらに約420ピクセル外側で最も尾側にある。体表の輪郭から判断すると②と⑤は鎖骨の上のくぼみにあり、③は鎖骨より尾側の前胸壁上にある。写真は被検者を正面から撮っているため画像の左右は被検者の左右と逆で、②は患者の左鎖骨上窩に当たる。鎖骨の走行は体表の陰影から読み取ったもので、骨そのものを確認したわけではない。
各選択肢の検討
a.①は②より頭側の患者左の前頸部にあり、頸部リンパ節の部位ではあるが、消化管癌の転移で特徴的とされる鎖骨上窩ではない。
b.②は患者の左の鎖骨上のくぼみ(左鎖骨上窩)にあり、胃癌など消化管癌の遠隔転移が触れる代表的部位で、これが正答。
c.③は②より外側・尾側で鎖骨より下の前胸壁上にあり、鎖骨上窩ではない。
d.④は①と左右対称の患者右側の頸部で、消化管癌の転移が特徴的に現れる側ではない。
e.⑤は患者右側の鎖骨上窩に相当するが、消化管癌の転移で特徴的なのは左側である。
覚えるポイント
腹部・消化管の癌は胸管を介して左鎖骨上窩リンパ節(Virchow結節)に転移する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Stomach Cancer – MSD Manual Professional Edition
- Lymphadenopathy – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。