新生児蘇生法の初期処置|第102回医師国家試験G39

第102回医師国家試験 G39(2008年)

正答:a

問題

新生児蘇生法で正しいのはどれか。

a.気道吸引を十分に行う。

b.気道確保のために側臥位にする。

c.最初に静脈路を確保する。

d.児の両足首を持って逆さにして揺さぶる。

e.Apgarスコアの1分値を測定してから蘇生を始める。

正答の理由

新生児蘇生の初期処置として、MSDは「出生後60秒以内の呼吸・心拍数・皮膚色の迅速評価、体温36.5〜37.5℃を保つ保温、乾燥、刺激、気道を開く体位、必要なら吸引」を挙げています。5肢のうち蘇生の手順に含まれる操作を述べているのはaの気道吸引だけで、残る4つはいずれも手順に反します。出題当時(2008年)は出生直後に気道吸引を行うことが広く行われており、aが正答とされました。ただし現行のMSDは「吸引球を含む吸引は、明らかな気道閉塞がある児、または陽圧換気を要する児に限って適応がある」と明記しており、全例で十分な吸引を行う扱いは現在は推奨されていません。公式正答はaです。

各選択肢の検討

a.気道吸引を十分に行う。出題当時の基準では正しい。初期処置には気道の吸引が含まれており、5肢のうち唯一蘇生の手順に沿います。ただし現行のMSDの記載では、吸引は明らかな気道閉塞がある場合か陽圧換気を要する場合に限られます。

b.気道確保のために側臥位にする。誤り。MSDは陽圧換気の前に頭頸部を中間位(sniffing position)に支え、下顎を前に出して口をわずかに開くとしており、側臥位にはしません。

c.最初に静脈路を確保する。誤り。MSDは蘇生の要否を呼吸努力と心拍数で判断し、保温・乾燥・刺激・体位・必要時の吸引、ついで陽圧換気の順に進めるとしています。静脈路の確保は最初の処置ではありません。

d.児の両足首を持って逆さにして揺さぶる。誤り。MSDが示す初期処置は保温・乾燥・刺激・気道を開く体位・必要時の吸引であり、逆さ吊りにして揺さぶる操作は含まれていません。

e.Apgarスコアの1分値を測定してから蘇生を始める。誤り。MSDはApgarスコアを「蘇生やその後の治療の指針となる道具ではない」と明記し、出生後60秒以内に呼吸・心拍数・皮膚色を迅速評価して必要な処置を開始するとしています。1分値の測定を待ってから蘇生を始めるのでは遅すぎます。

覚えるポイント

新生児蘇生の初期処置は保温・体位・(必要なら)吸引・乾燥と刺激。Apgar 1分値を待たず、出生後60秒以内に評価して開始する。吸引の適応は現行では気道閉塞か陽圧換気を要する児に限られる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第102回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました