広範な軟部組織挫滅を伴う開放骨折の初期治療|第102回医師国家試験G38

第102回医師国家試験 G38(2008年)

正答:a・d

問題

広範な軟部組織の挫滅を伴う開放骨折の治療で適切なのはどれか。2つ選べ。

a.創外固定

b.遊離植皮

c.人工骨移植

d.デブリドマン

e.プレート固定

正答の理由

開放骨折でまず必要なのは感染を防ぐことです。MSDは「開放骨折が疑われる場合は滅菌被覆、破傷風予防、広域抗菌薬とともに、感染を防ぐために洗浄とデブリドマンの手術を行う」と記しています。英国整形外科学会の基準(BOAST Open Fractures)とNICE NG37は、デブリドマン(wound excision)を高度汚染なら即時、高エネルギー開放骨折なら受傷後12時間以内、その他は24時間以内に行うこと、そして「確定的な内固定は、確定的な軟部被覆を直後に行える場合にのみ実施する」ことを求めています。広範な軟部挫滅があって即時の軟部被覆ができない本例では内固定を選べず、骨の安定化は創部から離れた位置で行える体外の器具、すなわち創外固定で行います(MSDも観血的整復後の固定は体外または体内の器具で維持すると記しています)。公式正答はa・dです。

各選択肢の検討

a.創外固定。正しい。確定的な軟部被覆ができるまで内固定を置けないため、創部から離れた部位で骨を安定させられる体外の固定器具が選ばれます。

b.遊離植皮。誤り。壊死組織と汚染が残る挫滅創にそのまま植皮しても生着は期待できず、まずデブリドマンで不良組織を除くことが先です。

c.人工骨移植。誤り。BOASTはデブリドマンが完了して初めてその後の操作を清潔手術として扱うとしており、汚染された挫滅創に人工材料を留置するのは感染の危険が高く適切ではありません。

d.デブリドマン。正しい。MSD・BOAST・NICEのいずれも開放骨折の中心的処置をデブリドマン(洗浄と創の切除)と位置づけ、汚染度と受傷エネルギーに応じた時間内に行うよう求めています。

e.プレート固定。誤り。BOASTは確定的な内固定を「確定的な軟部被覆を直後に行える場合に限る」としており、広範な軟部挫滅で被覆できない段階でのプレート固定は適切ではありません。

覚えるポイント

広範な挫滅を伴う開放骨折は、まず抗菌薬とデブリドマン、骨は創外固定で安定させる。内固定は確定的な軟部被覆を同時に行えるときだけ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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