第102回医師国家試験 G25(2008年)
正答:d・e
問題
妊婦への使用を避けた方がよい抗菌薬はどれか。2つ選べ。
a.セフェム系
b.ペニシリン系
c.マクロライド系
d.アミノグリコシド系
e.テトラサイクリン系
正答の理由
ペニシリン系は妊娠中に最も安全な抗菌薬の一つとされ、セフェム(セファロスポリン)系も広く安全と考えられています。マクロライド系はエリスロマイシンの使用経験が豊富で比較的安全とされます。一方、アミノグリコシド系はストレプトマイシンの聴器毒性など胎児への危険があり、テトラサイクリン系は胎児の骨・歯への蓄積のため妊娠中は避けられてきました。公式正答はd、eです。
各選択肢の検討
a.セフェム系。誤り。セファロスポリン系は妊娠中に広く安全とみなされており、ヒト胎児への危険を示した研究はないとされています。
b.ペニシリン系。誤り。妊娠中で最も安全な抗菌薬の一つで、医学的に必要なら使用できます。ペニシリンGは梅毒の母子感染予防と母児の治療に用いられます。
c.マクロライド系。誤り。エリスロマイシンは臨床使用の実績が多く比較的安全とされます(ただしクラリスロマイシンは代替治療がない場合を除き妊婦に使用しないとされます)。
d.アミノグリコシド系。正しい。ストレプトマイシンの聴器毒性など胎児への危険があり、使用する場合は胎児への潜在的危険を説明する必要があるとされています。
e.テトラサイクリン系。正しい。胎児の骨・歯への蓄積のため妊娠中は避けられてきました。妊婦では高用量投与で致死的な肝の脂肪変性を起こしうることも知られています。
覚えるポイント
妊婦はペニシリン・セフェム・エリスロマイシンが基本。アミノグリコシド(聴器)とテトラサイクリン(骨・歯)は避ける。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Penicillins – Infectious Disease – MSD Manual Professional Edition
- Cephalosporins – Infectious Disease – MSD Manual Professional Edition
- Macrolides – Infectious Disease – MSD Manual Professional Edition
- Aminoglycosides – Infectious Disease – MSD Manual Professional Edition
- Tetracyclines – Infectious Disease – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。