血清AFPが上昇する腫瘍|第102回医師国家試験G14

第102回医師国家試験 G14(2008年)

正答:d・e

問題

血清AFP値が上昇するのはどれか。2つ選べ。

a.肝悪性リンパ腫

b.大腸癌肝転移

c.肝内胆管癌

d.肝細胞癌

e.肝芽腫

正答の理由

公式正答はd・eです。成人ではAFPの上昇は肝細胞の脱分化を意味し、多くは肝細胞癌を示します。肝細胞癌では40〜65%の患者でAFPが400 ng/mLを超え、それ以外でAFPが高値になるのは精巣の奇形癌腫くらいでまれだとされます(肝炎などの肝細胞再生では軽度の上昇にとどまり特異性は低い)。小児では、肝悪性腫瘍の多くでAFPが上昇し、Beckwith-Wiedemann症候群などの児の肝芽腫を早期に見つけるスクリーニングにも使われます。

各選択肢の検討

a.肝悪性リンパ腫。誤り。AFPは肝細胞が作る蛋白で、リンパ系腫瘍で高値になるとはされていません。

b.大腸癌肝転移。誤り。AFPの高値は肝細胞の脱分化を示すもので、転移性の腺癌で上がる腫瘍マーカーではありません。

c.肝内胆管癌。誤り。胆管上皮から発生する腫瘍で、AFPが高値になるとはされていません(同じ肝原発でも線維層状癌ではAFPが上がることはまれと明記されています)。

d.肝細胞癌。正しい。診断はAFP測定と画像検査に基づき、40〜65%で400 ng/mLを超える高値を示します。高危険群では超音波とあわせた定期的なAFP測定が検診に用いられます。

e.肝芽腫。正しい。乳幼児に多い肝原発悪性腫瘍で、小児の肝悪性腫瘍の多くでAFPが上昇し、早期発見のためのスクリーニングにも用いられています。

覚えるポイント

AFPは肝細胞由来の腫瘍マーカー。成人では肝細胞癌(と精巣の奇形癌腫)、小児では肝芽腫。胆管癌・転移性肝癌・リンパ腫では上がらない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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