血栓傾向をきたす病態|第102回医師国家試験G4

第102回医師国家試験 G4(2008年)

正答:b

問題

血栓傾向がみられないのはどれか。

a.長期臥床

b.大球性貧血

c.経口避妊薬服用

d.真性赤血球増加症

e.抗リン脂質抗体症候群

正答の理由

公式正答はbです。血栓性疾患の危険因子の一覧には、静脈うっ滞(手術・整形外科的あるいは麻痺による不動、心不全、妊娠、臥床、旅行、肥満)、エストロゲンを含む経口避妊薬、抗リン脂質抗体症候群が並び、真性赤血球増加症も未治療では動脈・静脈血栓の危険が高まるとされます。大球性貧血はこの一覧にありません。巨赤芽球性貧血は無効造血によって白血球減少・血小板減少をきたす病態で、むしろ出血に傾きます。ただし同じ一覧には、葉酸・ビタミンB12・B6欠乏などによる高ホモシステイン血症が静脈血栓症の原因になりうると記載されており、巨赤芽球性貧血の背景にB12・葉酸欠乏がある場合は血栓の危険が完全に否定されるわけではありません。

各選択肢の検討

a.長期臥床。血栓傾向がみられる。臥床・不動は静脈うっ滞を生み、静脈血栓塞栓症の危険因子として挙げられています。

b.大球性貧血。血栓傾向がみられない、これが正答。巨赤芽球性貧血は無効造血で白血球減少・血小板減少を生じる病態で、血栓傾向の一覧に大球性貧血の記載はありません。

c.経口避妊薬服用。血栓傾向がみられる。エストロゲン含有経口避妊薬の静脈血栓症の絶対リスクは3〜9/10,000で、非妊娠・非使用者の1〜5/10,000より高いとされます。

d.真性赤血球増加症。血栓傾向がみられる。未治療では出血と動脈・静脈血栓の危険が高まり、一過性脳虚血発作や肢端紅痛症などの大小血管事故が起こります。

e.抗リン脂質抗体症候群。血栓傾向がみられる。代表的な後天性の血栓性素因です。

覚えるポイント

血栓傾向は「うっ滞(臥床)・エストロゲン・赤血球増加・抗リン脂質抗体」。大球性貧血は血球減少側で、ただしB12・葉酸欠乏による高ホモシステイン血症は別に血栓の原因になりうる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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