第102回医師国家試験 F20(2008年)
正答:b
問題
生後2週の新生児。噴水状の嘔吐を主訴に来院した。皮膚と舌とは乾燥し、大泉門の陥凹を認める。腹壁を通して胃の蠕動を認め、右腹部に腫瘤を触知する。
最初に行うべき画像検査はどれか。
a.腹部エックス線単純撮影
b.腹部超音波検査
c.腹部単純MRI
d.腹部単純CT
e.核医学検査
正答の理由
哺乳後まもない噴水状嘔吐、腹壁から見える胃の蠕動波、右上腹部のオリーブ様腫瘤、脱水所見(皮膚・舌の乾燥、大泉門陥凹)は肥厚性幽門狭窄症に特徴的です。MSDは本症の診断を腹部超音波とし、幽門筋の肥厚(おおむね3 mm以上。正常は3 mm未満)と幽門管の延長を確認すると記載しています。超音波は被曝がなく、ベッドサイドで短時間に行えます。公式正答はbです。
各選択肢の検討
a.腹部エックス線単純撮影。誤り。胃の拡張が分かる程度で幽門筋の肥厚は評価できず、被曝もあります。
b.腹部超音波検査。正しい。幽門筋の厚さと幽門管の長さを直接測れる第一選択の検査です。
c.腹部単純MRI。誤り。検査時間が長く鎮静を要することが多く、本症の診断法として挙げられていません。
d.腹部単純CT。誤り。被曝があり、超音波で診断できる本症に用いる理由がありません。
e.核医学検査。誤り。被曝があり、幽門筋の肥厚を評価する検査ではありません。
覚えるポイント
乳児の非胆汁性の噴水状嘔吐+オリーブ様腫瘤=肥厚性幽門狭窄症。診断は腹部超音波、治療は幽門筋切開術で、先に脱水と電解質・酸塩基平衡の異常を補正する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。