3歳児の診察室での行動への対応|第102回医師国家試験E57

第102回医師国家試験 E57(2008年)

正答:a

問題

3歳の男児。軽い咳を主訴に来院した。診察室に入ると、じっとせず室内を歩き回っている。

対応として適切なのはどれか。

a.行動を観察する。

b.精神科に受診科を変更させる。

c.母親に強く抱かせて座らせる。

d.本日は診察できないと母親に説明する。

e.子どものしつけについて母親を指導する。

正答の理由

公式正答はaです。診察室という慣れない場所で3歳児がじっとしていないという一場面だけでは、発達や行動の異常と判断することはできません。MSD ManualのADHDの項は、ADHDは4歳未満では容易には診断できないこと、診断には症状が6か月以上続き、その子の発達段階から予想される程度より強く、少なくとも2つの状況(例えば家庭と学校)で生じ、生活機能を妨げていることが必要だと述べています。診察室という1つの場面での短時間の観察だけで病的と判断する根拠はなく、まずは咳の診察を進めながら子どもの行動を観察し、必要なら時間をかけて評価するのが適切です。

各選択肢の検討

a.行動を観察する。正しく、これが正答。1つの場面の一時的な様子だけでは発達上の問題かどうか判断できないため、診察を続けながら行動を観察して情報を集めるのが最初の対応になります。

b.精神科に受診科を変更させる。誤り。MSD ManualはADHDが4歳未満では容易に診断できず、2つ以上の状況での症状と機能障害が必要だとしており、この場面だけで専門科へ振り分ける根拠はありません。主訴である咳の診療も行われなくなります。

c.母親に強く抱かせて座らせる。誤り。力で押さえこむことは診察への恐怖心を強め、その後の診察を困難にします。医学的な評価にもつながりません。

d.本日は診察できないと母親に説明する。誤り。受診の目的である咳の評価を放棄することになり、診察を拒む医学的根拠もありません。

e.子どものしつけについて母親を指導する。誤り。1場面の様子だけでしつけの問題と決めつける根拠はなく、養育者を不必要に責めることになります。

覚えるポイント

幼児が診察室で動き回る一場面だけでは発達の問題と決められない。まず行動を観察しながら診療を進める。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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