第102回医師国家試験 E46(2008年)
正答:c・e
問題
23歳の男性。バイクを運転中に転倒したため搬入された。意識は清明。右側頭部を強打しており右外耳からの出血がある。頭部CTで側頭骨を横断する骨折を認める。
予想される症状はどれか。2つ選べ。
a.嗄声
b.複視
c.難聴
d.眼球突出
e.顔面神経麻痺
正答の理由
側頭骨は内耳・中耳の構造(蝸牛、前庭、第Ⅷ脳神経)と顔面神経(第Ⅶ脳神経)を内部に収めています。側頭骨外傷の総説は、横骨折について「感音難聴とめまいは内耳の直接損傷によるもので、この骨折の最大50%に生じる」「顔面神経はこの骨折のほぼ半数で損傷される」と述べています(縦骨折では中耳損傷による伝音難聴が多く、顔面神経の損傷は15〜20%)。本例は側頭骨を横断する骨折なので、予想されるのは難聴と顔面神経麻痺で、公式正答はc、eです。
各選択肢の検討
a.嗄声。誤り。嗄声は迷走神経(反回神経)や喉頭の障害で生じます。側頭骨に含まれる構造ではありません。
b.複視。誤り。複視は動眼・滑車・外転神経や外眼筋の障害で生じ、これらは側頭骨を通りません。
c.難聴。正しい。横骨折では内耳の直接損傷による感音難聴とめまいが最大50%に生じるとされています。
d.眼球突出。誤り。眼窩内の病変や外傷で生じるもので、側頭骨骨折で予想される症状として挙げられていません。
e.顔面神経麻痺。正しい。顔面神経は側頭骨内を走り、横骨折のほぼ半数で損傷されるとされています。
覚えるポイント
側頭骨横骨折は内耳と顔面神経を直撃し、感音難聴・めまい(最大50%)と顔面神経麻痺(約半数)。縦骨折は伝音難聴が主で顔面神経障害は15〜20%。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。