多量の腹水をきたす婦人科疾患|第102回医師国家試験E37

第102回医師国家試験 E37(2008年)

正答:c

問題

多量の腹水貯留をきたさないのはどれか。

a.卵巣過剰刺激症候群

b.Meigs症候群

c.子宮内膜症

d.卵管癌

e.卵巣癌

正答の理由

卵巣過剰刺激症候群では、hCGに誘発されたVEGFの発現亢進によって血管透過性が高まり、サードスペースへ体液が移動して腹水・胸水・心嚢液を生じます。Meigs症候群はMSDの記載どおり「良性の卵巣線維腫に腹水と右胸水を伴う」病態です。卵巣癌・卵管癌・腹膜癌はMSDでは高悪性度漿液性癌として臨床経過も治療も共通する一群として扱われ、進行期には腹水による腹部膨満をきたします。これに対しMSDの子宮内膜症の項には腹水は所見として挙げられておらず、骨盤痛・月経困難症・性交痛・不妊が主な症状です。したがって多量の腹水貯留をきたさないのは子宮内膜症で、公式正答はcです。

各選択肢の検討

a.卵巣過剰刺激症候群。誤り(腹水をきたす)。VEGFを介した血管透過性亢進でサードスペースへ体液が移動し、腹水や胸水を生じます。

b.Meigs症候群。誤り(腹水をきたす)。良性の卵巣線維腫に腹水と右胸水を伴う三徴として記載されています。

c.子宮内膜症。正しい(多量の腹水をきたさない)。MSDの子宮内膜症の記載に腹水は挙げられておらず、骨盤痛・月経困難症・不妊が主体です。

d.卵管癌。誤り(腹水をきたす)。卵巣癌・腹膜癌と同一の一群として扱われ、進行例では腹水による腹部膨満をきたします。

e.卵巣癌。誤り(腹水をきたす)。MSDは骨盤腫瘤に腹水を伴う場合はまず卵巣癌を考えるとしています。

覚えるポイント

多量腹水をきたす婦人科疾患は卵巣癌・卵管癌・Meigs症候群・卵巣過剰刺激症候群。子宮内膜症は骨盤痛や不妊が主体で多量腹水はきたさない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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