乳房の診察法|第102回医師国家試験E27

第102回医師国家試験 E27(2008年)

正答:a・d/a・e/d・e のいずれでも正答(a・d・eの3つが適切で、そのうち2つを選ぶ)

問題

乳房腫瘍の診察で適切なのはどれか。2つ選べ。

a.坐位で触診する。

b.月経開始前1週間に触診する。

c.上肢を挙上させ腋窩を触診する。

d.上肢を挙上させ乳房を視診する。

e.両手指による触診でえくぼ徴候の有無をみる。

正答の理由

MSDの乳房診察の記載では、触診は坐位で行い、さらに仰臥位でも行います。視診は上肢を下ろした姿勢のほか、頭上に挙上させて大胸筋膜と乳房を引き上げた姿勢でも観察します。腋窩は上肢を支えて大胸筋を弛緩させた状態で触れます。乳房が硬く圧痛が出る月経前は触診に適さず、月経開始後3〜5日ごろが勧められます。皮膚の陥凹(えくぼ徴候)は腫瘍が皮膚に浸潤したためではなくCooper靱帯が引かれて生じるとされ、指で皮膚をつまむ・腫瘤を動かすといった手技で誘発します。公式正答は a・d/a・e/d・e のいずれかの組合せで、a・d・eの3つが適切な診察です。

各選択肢の検討

a.坐位で触診する。正しい。坐位(または立位)で触診し、続いて仰臥位でも触診するのが標準の手順です。

b.月経開始前1週間に触診する。誤り。この時期は乳腺が硬く圧痛が強く、しこりを見分けにくくなります。月経開始後3〜5日ごろが適します。

c.上肢を挙上させ腋窩を触診する。誤り。腋窩は検者が上肢を支え、大胸筋を弛緩させた状態で触診します。挙上させると筋が緊張して触れにくくなります。

d.上肢を挙上させ乳房を視診する。正しい。頭上に挙上させると大胸筋膜と乳房が引き上げられ、皮膚のひきつれや輪郭の変化が現れやすくなります。

e.両手指による触診でえくぼ徴候の有無をみる。正しい。皮膚の陥凹(えくぼ徴候)は腫瘍が皮膚そのものに浸潤したためではなく、Cooper靱帯が引かれて起こるとされます。指で腫瘤の上の皮膚をつまんだり腫瘤を二方向へ動かしたりすると、安静時の視診では分からない陥凹が現れることがあります。

覚えるポイント

視診は上肢挙上で、腋窩触診は上肢を支えて弛緩させて、触診の時期は月経後。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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