小児の生理機能が成人値に達する時期|第102回医師国家試験E12

第102回医師国家試験 E12(2008年)

正答:b

問題

1歳で成人と同じになるのはどれか。

a.Hb値

b.IgM値

c.視力

d.腎濃縮能

e.肋骨の走行角度

正答の理由

公式正答はbです。免疫グロブリンのうちIgMは胎児期から自己産生があり、出生後の立ち上がりが5肢の中で最も速く、乳児期には年長児とほぼ同じ濃度になってその後は横ばいです。IgGとIgAが年齢とともに増え続けるのと対照的で、残る4つは1歳では成人値に達していません。なお「ちょうど1歳で成人値」と明記した資料は得られておらず、MSDはIgG・IgM・IgAが成人値に達する時期を約5〜10歳としています。

各選択肢の検討

a.Hb値。誤り。生理的貧血を経て回復しますが、WHOの貧血判定値は生後6〜23か月105g/L、24〜59か月110g/Lで、成人女性120g/L・男性130g/Lより低く設定されています。1歳のHbは成人値に達していません。

b.IgM値。正しい。小児の免疫グロブリン基準値の検討では、IgG・IgA・IgDが年齢とともに増えるのに対しIgMだけは年齢群間で差がなく、0〜2歳の中央値93mg/dLが15〜18歳の98mg/dLとほぼ同じでした。5肢のうち乳児期にすでにほぼ最終的な水準に達するのはIgMだけです。

c.視力。誤り。視力は3〜4歳ではまだ成人より劣り、成人と区別できなくなるのは5〜6歳ごろです。

d.腎濃縮能。誤り。新生児の腎機能は低く、糸球体濾過量・尿素クリアランス・最大尿細管クリアランスが成人値に達するのは1〜2歳です。

e.肋骨の走行角度。誤り。乳児の胸郭は釣鐘状で成人の楕円形と異なり、肋骨の骨化は出生後も約2年続いて胸郭の力学的性質が成人型に近づきます。1歳では成人と同じになりません。

覚えるポイント

5肢で最も早く成人の水準になるのはIgM(乳児期に横ばい)。IgG・IgAは学童期以降、視力は5〜6歳、腎機能(GFRなど)は1〜2歳、Hbは思春期まで成人値に届かない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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