第102回医師国家試験 E9(2008年)
正答:c・e
問題
第1胸椎レベルで脊髄の右半分を損傷したときにみられるのはどれか。2つ選べ。
a.左手掌の痛覚低下
b.右上腕三頭筋の反射亢進
c.左下肢の痛覚低下
d.左下肢の深部反射亢進
e.右下肢の筋力低下
正答の理由
公式正答はc・eです。脊髄半側障害(Brown-Séquard症候群)では同側に麻痺と触覚・位置覚・振動覚の低下、対側に痛覚・温度覚の低下が出ます。痛覚と温度覚を伝える脊髄視床路だけが脊髄内で交叉して対側を上行するためです。右半側損傷なら同側(右)下肢の筋力低下と対側(左)下肢の痛覚低下が出ます。
各選択肢の検討
a.左手掌の痛覚低下。誤り。手掌の感覚はC6〜T1レベルで入ります。損傷部より頭側の分節から入った線維はすでに交叉して上行しているため影響を受けません。
b.右上腕三頭筋の反射亢進。誤り。上腕三頭筋反射はC7〜C8レベルで、第1胸椎レベルの損傷より頭側にあたります。深部反射が亢進するのは病変より下位です。
c.左下肢の痛覚低下。正しい。痛覚・温度覚を伝える脊髄視床路は脊髄内で交叉して対側を上行するため、右半側損傷では対側である左下肢の痛覚が低下します。
d.左下肢の深部反射亢進。誤り。皮質脊髄路は延髄で交叉済みで脊髄内では同側を下行するため、深部反射の亢進は損傷と同側(右)の下肢に出ます。
e.右下肢の筋力低下。正しい。同側の皮質脊髄路が障害されるため、損傷と同じ右側の下肢に上位運動ニューロン性の麻痺が生じます。
覚えるポイント
Brown-Séquardは同側の運動麻痺・深部感覚障害と対側の痛温覚障害。症状は病変レベルより下位に出る。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。