第102回医師国家試験 E2(2008年)
正答:a
問題
胆汁酸を産生するのはどれか。
a.肝細胞
b.Pit細胞
c.星(状)細胞
d.Kupffer細胞
e.胆管上皮細胞
正答の理由
公式正答はaです。古典的胆汁酸合成経路の律速酵素であるコレステロール7α-水酸化酵素(CYP7A1)は肝細胞の小胞体にのみ発現し、肝臓はこの経路の酵素をすべてもつ唯一の臓器です。
各選択肢の検討
a.肝細胞。正しい。コレステロールから胆汁酸を作る律速酵素CYP7A1は肝細胞の小胞体に限局して発現し、合成された胆汁酸はグリシン・タウリン抱合を受けて毛細胆管へ排出されます。
b.Pit細胞。誤り。Pit細胞は肝類洞の内皮に接着する肝固有のNK細胞で、パーフォリン/グランザイム経路で標的細胞を傷害します。
c.星(状)細胞。誤り。肝星細胞はDisse腔にある間葉系細胞で、生体のレチノイド(ビタミンA)の50〜80%を脂肪滴に蓄え、活性化すると線維化を担います。
d.Kupffer細胞。誤り。Kupffer細胞は肝に常在するマクロファージで、門脈血に含まれる細菌やリポ多糖の処理を担当します。
e.胆管上皮細胞。誤り。胆管上皮細胞はセクレチン刺激で重炭酸・水・イオンを分泌して胆汁の組成を修飾する細胞で、胆汁酸そのものは作りません。
覚えるポイント
胆汁酸合成は肝細胞のCYP7A1。星細胞=ビタミンA貯蔵、Kupffer=マクロファージ、Pit=NK細胞、胆管上皮=胆汁の修飾。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Up to date on cholesterol 7 alpha-hydroxylase (CYP7A1) in bile acid synthesis
- Inflammation and immunity in liver homeostasis and disease: a nexus of hepatocytes, nonparenchymal cells and immune cells
- Pit cells exclusively kill P815 tumor cells by the perforin/granzyme pathway
- Liver Structure and Function
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。