第102回医師国家試験 C8(2008年)
正答:a
問題
組合せで誤っているのはどれか。
a.マイコプラズマ ― 寒天培地
b.結核菌 ― 小川培地
c.肺炎球菌 ― Gram染色
d.非定型〈非結核性〉抗酸菌 ― Ziehl-Neelsen染色
e.真菌 ― Grocott染色
正答の理由
肺炎マイコプラズマは細胞壁をもたないため普通の細菌用培地では発育せず、「専用のマイコプラズマ培地上にて増殖可能であるが、日数がかかり(2〜4週間)」とされます。Gram染色でも染まりません。残る4つはいずれも正しい組合せなので、誤っているのはaです。公式正答はaです。
各選択肢の検討
a.マイコプラズマ ― 寒天培地。誤り(公式正答)。細胞壁を欠くため通常の寒天培地では発育せず、分離には専用のマイコプラズマ培地と2〜4週間の培養を要します。細胞壁合成を阻害するペニシリン・セフェムも無効です。
b.結核菌 ― 小川培地。正しい。臨床材料からの分離培養には小川培地やLöwenstein-Jensen培地などの卵培地が汎用されます。
c.肺炎球菌 ― Gram染色。正しい。Gram染色で槍先状のGram陽性双球菌として容易に同定され、診断はGram染色と培養が基本です。
d.非定型〈非結核性〉抗酸菌 ― Ziehl-Neelsen染色。正しい。抗酸菌は脂質に富む細胞壁のため通常の染色では染まりにくく、チール・ネールゼン法などの抗酸性染色を用います。非結核性抗酸菌も抗酸菌に含まれます。
e.真菌 ― Grocott染色。正しい。Grocottメセナミン銀(GMS)染色は真菌の細胞壁を際立たせる代表的な特殊染色で、PAS染色とともに組織内の真菌の検出に用いられます。
覚えるポイント
マイコプラズマは細胞壁なし=Gram染色で染まらず、βラクタム無効、分離には専用培地。結核菌は小川培地+抗酸性染色、真菌はGMS・PAS。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- マイコプラズマ肺炎(詳細版)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
- 結核(詳細版)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
- Pneumococcal Infections|MSD Manual Professional Edition
- Histopathologic Diagnosis of Fungal Infections in the 21st Century
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。