第102回医師国家試験 C3(2008年)
正答:d
問題
母親のみに由来するのはどれか。
a.X染色体
b.Y染色体
c.リボソームRNA
d.ミトコンドリアDNA
e.メッセンジャーRNA
正答の理由
受精のときに胚へミトコンドリアを供給するのは卵子だけなので、ミトコンドリアDNAの変異を子へ伝えられるのは母だけです(母系遺伝)。父は息子にも娘にもミトコンドリアDNAの異常を伝えません。公式正答はdです。
各選択肢の検討
a.X染色体。誤り。男児のX染色体は母由来ですが、女児は父と母から1本ずつ受け取るので、常に母親のみに由来するとはいえません。
b.Y染色体。誤り。Y染色体は父から息子へ伝わる染色体で、父系に由来します。
c.リボソームRNA。誤り。rRNAは親から受け継ぐ分子ではなく、個体自身のゲノムにあるrRNA遺伝子から転写されてつくられる分子です。
d.ミトコンドリアDNA。正しい。胚にミトコンドリアを与えるのは卵細胞だけで、変異を次世代へ伝えられるのは女性に限られます。
e.メッセンジャーRNA。誤り。mRNAは必要に応じて細胞内で転写され分解される一過性の分子で、親から受け継ぐものではありません。
覚えるポイント
ミトコンドリアDNAは母系遺伝。罹患男性は子に伝えず、罹患女性は息子・娘の双方に伝えうる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- What are the different ways a genetic condition can be inherited?|MedlinePlus Genetics
- Mitochondrial DNA|MedlinePlus Genetics
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。