標準予防策に基づく手洗いの手順|第102回医師国家試験B46

第102回医師国家試験 B46(2008年)

正答:a

問題

ある病院において院内感染対策を強化することとした。院内感染症対策委員会〈ICC〉の下に感染制御チーム〈ICT〉を立ち上げた。ICTは病院職員の手洗いを標準予防策に則ったものとする教育をまず行うこととした。手洗いの手順(別冊No. 5①〜⑤)を別に示す。

手洗いの手順で最後に行うのはどれか。

a.①

b.②

c.③

d.④

e.⑤

手洗いの手順を示す写真5枚。①は一方の手でもう一方の手首を握っている。②は伸ばした手の甲に他方の手を重ねている。③は一方の手の指先を他方の手のひらにこすりつけている。④は両手の指を交互に組み合わせている。⑤は開いた手の母指の付け根を他方の手で握り込んでいる。
別冊No. 5 / 出典:厚生労働省・第102回B別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

標準予防策は、すべての血液・体液・分泌物・排泄物・創傷皮膚・粘膜を感染源となりうるものとして扱う考え方で、その中心が手指衛生です。液体石けんと流水による手洗いは、手を濡らして石けんを取り、手のひら→手の甲→指先・爪の間→指の間→母指→手首の順にこすり洗いし、そのあと流水で洗い流してペーパータオルで乾かします。写真のうち手首を洗っているのは①で、5枚の中では最後のこすり洗いにあたります。公式正答はaです。

画像の見方

別冊PDFの物理4ページ左半(別冊5ページ)。①は白衣姿の人物が、握った一方の手の手首を他方の手で輪のように握っており、洗っているのは手首である。②は手背を上にして伸ばした手の上に他方の手を重ね、手の甲をこすっている。③は一方の手の指先と爪を他方の手のひらに立ててこすっている。④は両手の指を交互に組み合わせて指の間をこすっている。⑤は開いた手の母指とその付け根(母指球)を他方の手で握り込み、ねじるようにこすっている。いずれも石けんの泡や流水、洗面台は画角に入っておらず、段階の判断は手の形からのみ行える。厚生労働省資料「正しい手洗い」の順(手を濡らして石けん→手のひら→手の甲→指先・爪の間→指の間→親指→手首→流水→ペーパータオル)と手の形を突き合わせると、②=手の甲、③=指先・爪の間、④=指の間、⑤=親指、①=手首に1対1で対応し、5枚の相互の順序は②→③→④→⑤→①と決まる(手のひらを洗う段階は5枚に含まれない)。

各選択肢の検討

a.①。正しい(これが正答)。一方の手で他方の手首を握って洗っており、手のひら・手の甲・指先・指の間・母指に続く最後のこすり洗いの段階です。

b.②。誤り。手背を上にした手に他方の手を重ねて手の甲をこすっており、手のひらに続く2番目の段階にあたります。

c.③。誤り。指先と爪を他方の手のひらに立ててこすっており、洗い残しやすい指先・爪の間を洗う3番目の段階です。

d.④。誤り。両手の指を交互に組んで指の間をこすっており、指の間を洗う4番目の段階で、手首より前です。

e.⑤。誤り。母指とその付け根を握り込んでねじり洗いしており、母指を洗う5番目の段階で、手首の直前です。

覚えるポイント

手洗いは手のひら→手の甲→指先・爪→指の間→母指→手首の順に洗い、洗い残しやすい手首を最後に洗ってから流水で流す。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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