第102回医師国家試験 B37(2008年)
正答:d
問題
肺の細胞と機能の組合せで誤っているのはどれか。
a.杯細胞 ―――――― 粘液分泌
b.線維芽細胞 ―――――― 膠原線維産生
c.神経内分泌細胞 ―――― セロトニン分泌
d.Ⅰ型肺胞上皮細胞 ――― サーファクタント分泌
e.肺胞マクロファージ ―― 細菌貪食
正答の理由
肺胞壁の主要な細胞はⅠ型肺胞上皮細胞・Ⅱ型肺胞上皮細胞・肺胞マクロファージの3種です。Ⅰ型肺胞上皮細胞は肺胞表面積の約97%を覆う扁平な細胞で、厚さ約25nmとごく薄くガス透過性が高く、ガス交換の場をつくります。肺サーファクタント(リン脂質とリポ蛋白の混合物)を分泌するのはⅡ型肺胞上皮細胞なので、dの組合せが誤りです。公式正答はdです。
各選択肢の検討
a.杯細胞 ― 粘液分泌。正しい組合せ。気道の多列線毛円柱上皮に散在し、粘液を分泌して異物をとらえ、線毛運動で咽頭へ運びます。
b.線維芽細胞 ― 膠原線維産生。正しい組合せ。間質の線維芽細胞が膠原線維などの細胞外基質を産生し、肺の構造を支えます。
c.神経内分泌細胞 ― セロトニン分泌。正しい組合せ。気道上皮の肺神経内分泌細胞(PNEC)はセロトニン(5-HT)を含み、ヒト気道上皮における主要な5-HT産生細胞とされます。
d.Ⅰ型肺胞上皮細胞 ― サーファクタント分泌。誤り(これが正答)。Ⅰ型肺胞上皮細胞は肺胞表面の約97%を覆う扁平な細胞でガス交換を担い、サーファクタントを分泌するのはⅡ型肺胞上皮細胞です。
e.肺胞マクロファージ ― 細菌貪食。正しい組合せ。肺胞壁を動き回る貪食細胞で、肺胞に達した異物や病原体を処理します。
覚えるポイント
サーファクタントはⅡ型肺胞上皮細胞が分泌し、Ⅰ型肺胞上皮細胞は肺胞表面の約97%を覆ってガス交換を担う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- 22.1 Organs and Structures of the Respiratory System|Anatomy and Physiology 2e(OpenStax)
- Respiratory Distress Syndrome in Neonates – MSD Manual Professional Edition
- Chemosensory Functions for Pulmonary Neuroendocrine Cells(Am J Respir Cell Mol Biol, 2014)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。