瞳孔の生理|第102回医師国家試験B35

第102回医師国家試験 B35(2008年)

正答:c・d

問題

正しいのはどれか。2つ選べ。

a.瞳孔径は加齢とともに大きくなる。

b.瞳孔散大筋はコリン作動性である。

c.瞳孔括約筋は動眼神経支配を受ける。

d.近見によって縮瞳する。

e.眼圧上昇によって縮瞳する。

正答の理由

瞳孔括約筋は中脳のEdinger-Westphal核から動眼神経(第Ⅲ脳神経)を走る副交感線維が毛様体神経節で乗り換えて支配し、収縮すると縮瞳します。瞳孔は光だけでなく近方視でも縮瞳し(近見反応)、調節・輻輳とともに起こります。一方、瞳孔散大筋は交感神経支配でアドレナリン作動性であり、瞳孔径は20歳代以降加齢とともに小さくなります(老人性縮瞳)。眼圧が上がると縮瞳するという関係もなく、急性閉塞隅角緑内障では眼圧40〜80mmHgとともに瞳孔は中等度散大して固定します。よって正しいのはcとdで、公式正答はcdです。

各選択肢の検討

a.瞳孔径は加齢とともに大きくなる。誤り。定常状態の瞳孔径は20歳代以降加齢とともに小さくなり(老人性縮瞳)、輝度9cd/m²の条件では年あたり約0.043mmの減少が報告されています。

b.瞳孔散大筋はコリン作動性である。誤り。瞳孔散大筋は交感神経支配のアドレナリン作動性で、交感路が障害されるHorner症候群では縮瞳します。

c.瞳孔括約筋は動眼神経支配を受ける。正しい。Edinger-Westphal核由来の副交感線維が動眼神経を通り、毛様体神経節を経て虹彩の平滑筋を支配して瞳孔径を調節します。

d.近見によって縮瞳する。正しい。瞳孔は近方注視に対して縮瞳する近見反応をもち、光反応・覚醒による散大と並ぶ3つの瞳孔反応の1つです。

e.眼圧上昇によって縮瞳する。誤り。眼圧上昇が縮瞳を起こすわけではなく、眼圧が40〜80mmHgに上がる急性閉塞隅角緑内障ではむしろ瞳孔は中等度散大して固定します。

覚えるポイント

瞳孔括約筋=動眼神経(副交感)、瞳孔散大筋=交感神経(アドレナリン作動性)。近見で縮瞳し、加齢でも縮瞳する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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