院内肺炎|第102回医師国家試験B24

第102回医師国家試験 B24(2008年)

正答:a

問題

院内肺炎で正しいのはどれか。

a.誤嚥は院内肺炎の原因になる。

b.高齢者は若年者よりも予後がよい。

c.院内感染症の中で最も頻度が高い。

d.最も多い起因菌は肺炎球菌である。

e.喀痰検査で起因菌は容易に同定できる。

正答の理由

公式正答はaです。院内肺炎は入院後48時間以降に発症した肺炎で、人工呼吸器関連肺炎とともに誤嚥性肺炎がその特殊型として位置づけられ、原因微生物にも誤嚥に伴う嫌気性菌が挙げられています。

各選択肢の検討

a.誤嚥は院内肺炎の原因になる。正しい。誤嚥性肺炎は院内肺炎の代表的な病型で、院内肺炎の原因微生物の一覧にも誤嚥(嫌気性菌)が含まれます。

b.高齢者は若年者よりも予後がよい。誤り。成人院内肺炎診療ガイドラインは男性70歳以上・女性75歳以上を生命予後の予測因子に挙げており、高齢はむしろ予後不良の要素です。

c.院内感染症の中で最も頻度が高い。誤り。部位別の順位は対象集団や時代によって変わり、一律に最多とはいえません。米国NNISの内科系ICU調査では尿路感染症31%、肺炎27%、血流感染19%の順で、肺炎は最多ではありませんでした。

d.最も多い起因菌は肺炎球菌である。誤り。肺炎球菌は市中肺炎の代表的な起因菌です。院内肺炎では腸内細菌科細菌・緑膿菌・MRSAなどが問題となり、同調査の肺炎分離株も緑膿菌21%、黄色ブドウ球菌20%が上位でした。

e.喀痰検査で起因菌は容易に同定できる。誤り。喀痰は上気道・口腔内常在菌の汚染を受けやすく、Miller & Jones分類やGeckler分類で検体の品質を評価したうえで培養結果と併せて判断する必要があります。

覚えるポイント

院内肺炎は入院48時間以降の肺炎で、誤嚥も原因になる。高齢は予後不良因子、起因菌は緑膿菌・MRSA等。喀痰は常在菌混入に注意。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第102回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました