認知症高齢者の介護|第102回医師国家試験B20

第102回医師国家試験 B20(2008年)

正答:a・e

問題

認知症の高齢者の介護で正しいのはどれか。2つ選べ。

a.情報は簡潔に伝える。

b.目を合わせないで話す。

c.間違ったらその場で叱る。

d.生活環境を大きく変える。

e.規則正しい生活を指導する。

正答の理由

公式正答はa・eです。認知症の人には、分かりやすい言葉や文字でゆっくり、重要な点を整理して伝えることが基本で、厚生労働省の意思決定支援ガイドラインも同じ考え方を示しています。また認知症では体内時計の機能変化が進んで昼夜のメリハリが弱まるため、就寝・起床時刻を一定にして日中に光を浴び活動する規則正しい生活が、睡眠・覚醒リズムを整えるうえで有用とされています。

各選択肢の検討

a.情報は簡潔に伝える。正しい。認知症の人は一度に多くの情報を処理しにくいため、分かりやすい言葉や文字にしてゆっくり説明し、重要なポイントを整理して提示します。

b.目を合わせないで話す。誤り。本人が安心して自らの意思を表明できる態度で接することが求められており、視線を避ける対応は信頼関係を損ないます。

c.間違ったらその場で叱る。誤り。認知症の人が安心して自らの意思を表明できる態度で接することが基本で、叱責はその関係を損ないます。忘れてしまうことを前提に、その都度ていねいに説明し直して支えます。

d.生活環境を大きく変える。誤り。初めての場所や慣れない場所では緊張や混乱が生じやすいため、できる限り本人が慣れた環境を保つことが望ましいとされています。

e.規則正しい生活を指導する。正しい。認知症では体内時計の機能変化が進んで昼夜のメリハリが弱まり、昼夜逆転に至ることもあります。太陽光の活用や日中の運動・社会的交流など規則正しい生活は、睡眠・覚醒リズムの調整に役立つとされています。

覚えるポイント

認知症ケアは「短く分かりやすく伝える」「慣れた環境を保つ」「生活リズムを整える」。叱責・視線回避・急な環境変化は避ける。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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