早産児の動脈管開存症とインドメタシン|第102回医師国家試験A60

第102回医師国家試験 A60(2008年)

正答:a

問題

生後3日の新生児。在胎25週、体重774gで出生した。Apgarスコア3点(1分)。出生後啼泣が弱く、直ちに挿管され、人工呼吸管理を受けている。体温37.8℃。心拍数180/分、整。チアノーゼは認めない。心尖拍動を認め、胸骨左縁第2肋間に2/6度の収縮期雑音を聴取する。胸部エックス線写真で心胸郭比は65 %である。心エコー図(別冊No. 26)を別に示す。

治療薬として適切なのはどれか。

a.インドメタシン

b.人工サーファクタント

c.デキサメタゾン

d.ドパミン

e.プロスタグランジンE1

別冊No. 26 カラードプラ心エコー図。MPA(主肺動脈)とRPA(右肺動脈)・LPA(左肺動脈)が青く描出され、主肺動脈と左肺動脈の起始部に外側から赤いモザイク状の血流が流入している。MPA:主肺動脈、RPA:右肺動脈、LPA:左肺動脈の凡例が付されている。
別冊No. 26 / 出典:厚生労働省・第102回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

在胎25週・774gの超早産児が生後3日で人工呼吸管理中に頻脈、胸骨左縁第2肋間の収縮期雑音、心胸郭比65 %の心拡大を示し、カラードプラ心エコー図では肺動脈分岐部へ外側から流入する血流があります。動脈管を介した大動脈から肺動脈への左右短絡で、血行動態的に意味のある動脈管開存症です。呼吸状態の悪い早産児の動脈管開存症では、シクロオキシゲナーゼ阻害薬(インドメタシンまたはイブプロフェン)で閉鎖を図ります。公式正答はaです。

画像の見方

肺動脈分岐部を描出したカラードプラ心エコー図。MPA(主肺動脈)とそこから分かれるRPA(右肺動脈)・LPA(左肺動脈)の内腔が青く(探触子から遠ざかる向き)描出されている。主肺動脈と左肺動脈の起始部付近に、外側(画像右)から赤〜モザイク状の血流が流れ込んでおり、肺動脈内へ向かう別経路からの血流を示す。画像にMPA・RPA・LPAの標識と、それぞれ主肺動脈・右肺動脈・左肺動脈とする凡例が付されている。

各選択肢の検討

a.インドメタシン。正しい。シクロオキシゲナーゼを阻害してプロスタグランジン産生を抑え、動脈管の閉鎖を促します。呼吸状態が悪く血行動態的に意味のある動脈管開存のある早産児が対象です。

b.人工サーファクタント。誤り。サーファクタント欠乏による新生児呼吸窮迫症候群の治療薬で、動脈管を閉じる薬ではありません。

c.デキサメタゾン。誤り。慢性肺疾患(気管支肺異形成)などで検討される薬で、動脈管の閉鎖を目的とする薬ではありません。

d.ドパミン。誤り。循環不全に対する強心・昇圧薬で、短絡そのものには働きません。

e.プロスタグランジンE1。誤り。動脈管を開いたまま保つ薬で、動脈管依存性の先天性心疾患に用います。本例では逆効果です。

覚えるポイント

早産児の動脈管開存で呼吸・循環に影響があればインドメタシン(またはイブプロフェン)で閉鎖を図る。プロスタグランジンE1は逆に動脈管を開存させる薬。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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