第102回医師国家試験 A57(2008年)
正答:c
問題
65歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。体温36.6℃。呼吸数16/分。脈拍64/分、整。血圧126/74mmHg。胸部エックス線写真(別冊No. 23)を別に示す。
対応として適切なのはどれか。
a.胸腔鏡検査
b.縦隔鏡検査
c.気管支鏡検査
d.抗菌薬投与
e.1週後再診

正答の理由
65歳で咳嗽があり、発熱や頻呼吸など感染を示す所見はありません。胸部エックス線写真では右肺門部に結節状の陰影が指摘されています。年齢と肺門という中枢側の位置から肺癌を疑って組織診断を得るべきで、中枢の病変では気管支鏡検査の診断率が高いとされます。公式正答はcです。
画像の見方
胸部エックス線正面像。右肺門の下部に白い矢印が置かれ、その指し示す位置に周囲の肺門陰影より濃度が高く辺縁のやや不明瞭な結節状の陰影が重なっている。両肺野に明らかな浸潤影・空洞・胸水はなく、心陰影の大きさも正常範囲にみえる。
各選択肢の検討
a.胸腔鏡検査。誤り。胸膜病変や末梢の病変に対する侵襲的な検査で、肺門部病変の最初の検査としては適切ではありません。
b.縦隔鏡検査。誤り。縦隔リンパ節の評価に用いる検査で、まず原発巣の組織診断を得る段階では選ばれません。
c.気管支鏡検査。正しい。肺門部など中枢側の病変では洗浄・擦過・生検による診断率が高く、組織診断を得る最初の手段として適切です。
d.抗菌薬投与。誤り。発熱や炎症所見がなく、細菌感染を示唆する根拠がありません。
e.1週後再診。誤り。65歳で肺門部に結節状の陰影が指摘されており、経過観察のまま組織診断を遅らせるべきではありません。
覚えるポイント
肺門部(中枢)の結節影は気管支鏡で組織診断を取りにいく。末梢病変ではCTガイド下針生検が選ばれる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Solitary Pulmonary Nodule – Pulmonology – MSD Manual Professional Edition
- Lung Carcinoma – Oncology – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。