急性膿胸の診断と治療|第102回医師国家試験A20

第102回医師国家試験 A20(2008年)

正答:d

問題

急性膿胸で正しいのはどれか。

a.結核由来が多い。

b.肺炎は原因とならない。

c.発熱は軽度である。

d.胸腔穿刺で診断する。

e.抗菌薬は局所投与する。

正答の理由

公式正答はdです。膿胸は胸膜腔に膿がたまった状態で、診断の基準となるのは胸腔穿刺で得た胸水の分析です。肉眼的に膿性であれば膿胸を強く疑い、蛋白・糖・LDH・細胞数・Gram染色・培養・pHを調べて合併性胸水か膿胸かを分けます。

各選択肢の検討

a.結核由来が多い。誤り。最も多い原因は市中肺炎で、次いで術後・手技後・外傷後です。結核は世界全体でみれば重要な起炎菌ですが、急性膿胸の代表的な由来ではありません。

b.肺炎は原因とならない。誤り。肺炎に伴う胸水(傍肺炎性胸水)から進むのが最も多い経路で、起炎菌はレンサ球菌・ブドウ球菌、高齢者では嫌気性菌が中心です。

c.発熱は軽度である。誤り。典型的には発熱・悪寒戦慄と急性の呼吸器症状を示します。高齢で併存疾患の多い例では体重減少・食欲不振・倦怠感といった非特異的な経過をとることがあり、診断が遅れる要因になります。

d.胸腔穿刺で診断する。正しい。胸腔穿刺で得た胸水の分析が診断の基準です。肉眼で膿性であれば膿胸を強く示唆し、Gram染色・培養・生化学で確認します。

e.抗菌薬は局所投与する。誤り。治療は全身投与の広域抗菌薬と胸腔ドレナージが柱で、必要に応じて線溶薬の胸腔内投与や手術を加えます。胸腔内への抗菌薬投与は役割が議論の段階にある方法です。

覚えるポイント

急性膿胸は肺炎から起こることが最も多い。診断は胸腔穿刺による胸水分析、治療は全身抗菌薬+ドレナージ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第102回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました