第102回医師国家試験 A11(2008年)
正答:a
問題
抗表皮細胞間抗体が検出されるのはどれか。
a.尋常性天疱瘡
b.疱疹状皮膚炎
c.水疱性類天疱瘡
d.先天性表皮水疱症
e.後天性表皮水疱症
正答の理由
公式正答はaです。尋常性天疱瘡は、表皮細胞どうしの接着を担うカドヘリンであるデスモグレイン3(ときにデスモグレイン1)に対するIgG自己抗体で起こります。抗体が表皮細胞間(デスモソーム)を標的にするため、蛍光抗体法では表皮細胞間に網目状の沈着を示し、棘融解によって表皮内水疱ができます。
各選択肢の検討
a.尋常性天疱瘡。正しい。デスモグレイン3(ときに1)に対するIgG自己抗体が、表皮細胞間の接着を壊して棘融解と表皮内水疱を起こします。抗体の標的が細胞間にあるのがこの病気の本質です。
b.疱疹状皮膚炎。誤り。真皮乳頭にIgAが沈着して好中球を集めるのが本態で、セリアック病に伴い、グルテン除去食で沈着が消えます。細胞間への抗体沈着ではありません。
c.水疱性類天疱瘡。誤り。ヘミデスモソームの抗原であるBP230・BP180に対するIgG自己抗体が補体を活性化し、表皮下水疱を作ります。標的は細胞間ではなく表皮基底膜部です。
d.先天性表皮水疱症。誤り。4型とその亜型からなる遺伝性疾患で、自己抗体ではなく遺伝子異常による上皮の脆弱性が原因です。出生時か乳児期から水疱が出ます。
e.後天性表皮水疱症。誤り。VII型コラーゲンに対する自己免疫で起こる類天疱瘡群の疾患で、やはり表皮下で裂隙ができます。細胞間抗体ではありません。
覚えるポイント
抗表皮細胞間抗体=天疱瘡(表皮内水疱)、抗表皮基底膜部抗体=類天疱瘡・後天性表皮水疱症(表皮下水疱)、先天性表皮水疱症は遺伝性。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Pemphigus Vulgaris
- Bullous Pemphigoid
- Dermatitis Herpetiformis
- Epidermolysis Bullosa
- The Retinoid Tamibarotene Aggravates Skin Inflammation in a Model of Bullous Pemphigoid-like Epidermolysis Bullosa Acquisita
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。