第102回医師国家試験 A6(2008年)
正答:e
問題
強迫性障害について正しいのはどれか。
a.させられ〈作為〉体験が併存する。
b.強迫観念の内容は了解不能である。
c.生活機能が障害されることは少ない。
d.第一選択薬は非定型抗精神病薬である。
e.患者は強迫行為を不合理であると認識している。
正答の理由
公式正答はeです。強迫性障害の患者の多くは、強迫観念の根拠にしている考えが現実的でないことを少なくともある程度は自覚しています。だからこそ強迫行為を自分でも不合理と感じながらやめられません。病識の程度には幅があり、まれに完全に欠ける例もありますが、不合理と認識しているのが基本です。
各選択肢の検討
a.させられ〈作為〉体験が併存する。誤り。思考や衝動を外部の力に押し込まれると信じるのは統合失調症の妄想で、強迫観念は自分の中から湧く望まない思考として体験されます。
b.強迫観念の内容は了解不能である。誤り。主題は加害・不潔や汚染・禁忌の考え・左右対称へのこだわりなど了解できる内容で、患者自身もその考えが現実的でないと気づいています。了解不能で奇異なのは統合失調症の妄想のほうです。
c.生活機能が障害されることは少ない。誤り。診断には1日1時間以上を費やす、著しい苦痛、または機能の著しい障害が必要で、極端な例では生活が立ちゆかなくなります。
d.第一選択薬は非定型抗精神病薬である。誤り。薬物療法の中心はSSRIまたはクロミプラミンで、認知行動療法(曝露反応妨害法)と並ぶ初期治療です。抗精神病薬は効果不十分なときの増強に使います。
e.患者は強迫行為を不合理であると認識している。正しい。多くの患者は強迫観念の前提が現実的でないと少なくともある程度自覚しています。ただし病識の程度には幅があり、まれに完全に欠ける例もあります。
覚えるポイント
強迫観念は自我違和的で患者自身が不合理と気づく。第一選択はSSRIまたはクロミプラミンと曝露反応妨害法。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。